はじめよう
プラスチック・スマートな暮らし

環境保全茨城県民会議のマスコットキャラクター「えこぴー」です。
いっしょに、プラスチックと日常生活について考えてみましょう!

プラスチックはとても便利な素材ですが、海洋プラスチック問題や外国のプラごみ輸入規制などにより国内で産業廃棄物処理がひっ迫するなど様々な問題を引き起こしています。
2022年4月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラスチック資源循環促進法)では、プラスチックのライフサイクル全体において関わりがある、全ての事業者、自治体、消費者による様々な取組が求められています。

海洋プラスチックごみ問題とは

近年、リサイクルのルートから外れて回収されずに、河川などを通じて海に流れ込む「海洋プラスチックごみ」よる環境汚染が世界的に問題になっています。
プラスチックは、成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高くとても便利ですが、ポイ捨てなどにより回収されずに河川などを通じて海に流れ込み、海の生き物にも悪影響を及ぼしています。
プラスチックは分解されるのに時間がかかり、海に長期間残存し、このままでいくと2050年までにプラスチックごみは魚の重量を上回ることが予測されています。
そこで、国では、2019年5月にレジ袋有料化義務化を含んだ「プラスチック資源循環戦略」を策定し、2019年6月のG20大阪サミットにおいて、共通の世界のビジョンとして2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。

海洋ごみにはどんなものがある?

海洋ごみには、どのようなものがあるのでしょうか。
環境省 「令和4年度漂着ごみ組成調査データ取りまとめの結果について」によると、茨城県沖から東北地方太平洋側を流れる親潮流域では、個数では「プラ製ロープ・ひも」が最も多く全体の約19%を占め、ほかに「ボトルのキャップ、ふた」などプラスチックごみが多くの割合を占めていました。
また、重量では「プラ製ロープ・ひも」が最も多く全体の約21%を占めていました。
全国の漂着ごみ組成調査結果においても、個数の上位10品目は全てプラスチック(発泡スチロールを含む)でした。

海洋プラスチックごみのゆくえ

海の中へ放出されたプラスチックごみは簡単には自然分解されず、その多くが数百年以上もの間海に残り続けます。これらのプラスチックごみの多くは、波や紫外線などによって細かく崩れ、やがて小さなプラスチックの粒子となります。5mm以下になったプラスチック片は、マイクロプラスチックと呼ばれ、世界中の海中や海底を漂います。
海洋生態系に取り込まれたマイクロプラスチックは海水中の有害化学物質を吸着し、食物連鎖を通して海の生物の体内や、海水を含む飲料水や食塩に含まれ、やがては私たちの体に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

プラスチックごみが自然分解されるまでに必要な年数

プラスチック製食器100年~1000年
釣り糸500年
おむつ450年
レジ袋10年~20年
発泡スチロール製カップ50年
タバコ10年

マイクロプラスチックの発生源は?

マイクロプラスチックの発生源は、海洋プラスチックごみのほか、洗濯機から排出される衣類の繊維くずや人工芝、タイヤと道路の摩擦による粉じん、建築資材、化粧品など様々です。

家庭からは、どれくらいのプラスチックごみが出されているのかな?

令和5年度環境省調査では、家庭から出たごみを容積で比較したところ、家庭ごみのほぼ半分はプラスチック容器包装が占めていましたが、この割合は平成30年度以降ほぼ変化がありません。プラスチックごみの内訳をみると、「パック・カップ・弁当容器」、「商品の袋・包装(アルミなし)」、「飲料用ペットボトル」が上位を占めています。リサイクルできそうなものも含まれており、改善の余地はありそうです。

令和4年度家庭ごみの組成 容積比
令和4年度家庭ごみの組成 凡例

プラスチックごみを減らすためにわたしたちができること

3RはReduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRの総称です。
ごみを減らし、限りある地球の資源を守るために、資源を有効的に繰り返し使う社会(循環型社会)を実現するための重要なキーワードとして位置づけられています。海洋プラスチックごみの問題も、この3Rの視点で、自分たちが身近にできることから取り組んでみることが大切です。

「身近な3R行動」

こんなことに取り組んでみましょう!

◎最も大事な行動


Reduce リデュース
ごみになるものを
減らすこと
  • ・スーパーなどで食品を小分けにするポリ袋の使用を減らす。
  • ・食品の保存はふた付き容器を使い、ラップの使用を減らす。
  • ・原料採取から処分するまでの環境負荷も考慮して、商品を選ぶ。
  • ・洗濯の際は、洗濯表示にしたがって、洗濯ネットを使用する。
    また、糸くずフィルターはこまめに掃除する。
Reuse リユース
ものを大切に
繰り返し使うこと
  • ・マイバッグを定期的に洗濯して、清潔に長く使う。
  • ・マイボトル(水筒)、マイスプーンなどを持参し、使い捨て容器等の使用を減らす。
  • ・詰め替え用ボトルなど繰り返し使えるものを選ぶ。
Recycle リサイクル
ごみを原材料として
再生利用すること
  • ・ごみは所定の場所・時間に、分別して出す。
  • ・再生プラスチック製品を使用する。
  • ・ごみのポイ捨て、不法投棄はしない。
  • ・屋外で出たごみは家に持ち帰って処分する。
  • ・河川敷や海岸の清掃活動に参加する。
自動販売機の横にあるリサイクルボックスに
「ごみ」や「飲み残しのペットボトル」が入っていると、
リサイクル時に困るので、ごみや飲み残しは持ち帰りましょう。
エコピー
まずはできることから
  • ●プラスチック製買い物袋の代わりに、エコバッグ・マイバッグ等を使いましょう。
  • ●プラスチック製の使い捨てカップの代わりに、マイボトル等を使いましょう。
  • ●プラスチック製の使い捨て食器の代わりに、マイ箸等を携帯し使いましょう。

プラスチックと賢くお付き合い「プラスチック・スマート」

「プラスチック・スマート」とは、環境省が実施している海洋プラスチックごみの削減に向けたキャンペーンの名称で、“プラスチックとの賢い付き合い方”のこと。
海洋プラスチックごみよる環境汚染問題の解決に向けては、個人・企業・団体・行政などのあらゆる主体が、それぞれの立場でできる取組を行い、プラスチックと賢く付き合っていくことが重要です。さらに、プラスチック・スマートはプラスチック資源循環にもつながる大事な行動です。
「プラスチック・スマート」について、くわしくは環境省のホームページをご覧ください。

プラスチック資源循環のための合い言葉
「プラスチックは、えらんで、減らして、リサイクル」

「プラスチックごみによる海洋環境汚染や地球温暖化、資源の枯渇問題の解決には、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用し、 廃棄物として捨てられていたプラスチックを再生可能資源に代替するなどして、プラスチックのライフサイクル全般における資源循環の取り組みが重要です。日々の生活の中で、「プラスチックは、えらんで、減らして、リサイクル」に協力することが必要不可欠です。
わたしたち一人ひとりが3Rを意識して、プラスチックをかしこく利用する暮らしに変えていきましょう。